この記事では、見た目は派手で難しそうだが、やってみると意外に簡単。ボスハンドタッピングのやり方や練習法について書いています。
最近得意にしている方いませんが、ラウドネスの高崎晃さんやスティーヴ・ヴァイさんが名手ですね。左手を逆手にしてタッピングする奏法です。
かなりトリッキーで、[難しそう!」って思う方も多いでしょうが、逆手持ちに慣れてしまえば、意外に簡単。
ステージ映えするだけじゃなく、タッピング時のミュート対策っていう実用性もあります。
好き嫌いの分かれる奏法で...
やらない人は一生やらない。
ブルースマンも絶対やらない。(やったら絶対面白いと、思うんですけど)
「ボスハンドタッピング」奏法ではありますが...
「ちょっと面白そうだからやってみっか!」
って感じの軽いノリで練習してみてはいかがでしょうか?っていう提案です。
未来を目指す音楽家なら、やらず嫌いはイケナイかなと!!(裏テーマはボスハンドタッピング再興運動です。)
ボスハンドタッピング(オーバーネックタッピング)とは?
エディー・バン・ヘイレンの必殺技、「ライトハンド」奏法のバリエーションの一つでご覧の通りフィンガリングする左手を逆手にしてタッピングするってやり方。
エディー自身も、やっていますがラウドネスの高崎晃さんの必殺技ってイメージが強いですね。
ラウドネスの名曲「Soldier Of Fortune」や「S・D・I」のギターソロなんかが有名っス。
で、その当時は「両手タッピング」とか「オーバーネックタッピング」って名前で呼ばれていて、「ボスハンドタッピング」って名称は2000年以降に浸透した名称っスねー。
今は「ボスハンドタッピング」で確定した感があります。
とにかく見た目が派手でステージ映えする奏法で、キメのフレーズで突如逆手でタッピングして高速フレーズを弾くと効果的。
パフォーマンス的要素の強い「ボスハンドタッピング」ですが、一応大義名分はありまして...
逆手でフィンガリングする事で、タッピング時に鳴る不要な弦をミュート出来るって利点があります。
そう。この部分が鳴ってしまうんです。ハードなディストーションサウンドでは、とてもじゃないがノイジー過ぎて聴いてられない。
これを防ぐために、ナット付近をハンカチなどで縛ったり、ミュートダンパーや「フレットラップ」と呼ばれる、ミュートする道具を装着するわけなんですね。
100円ショップでタッピングに必要なミュートダンパーを作ってみた。
ただ、このやり方にも弱点がありまして、当然のことですがナット付近をミュートすると開放弦が使えなくなるって問題があります。
特に開放弦を多用するハードロック/ヘビィメタル系のギタリストにとってはツラいところ。
なので、ギターソロの所だけタッピングしたいな!って時にこの「ボス・ハンド・タッピング」が役に立つわけですねぇ。
こんな感じで、左手の小指側面で軽く弦に触れてミュートします。
フレーズによっては、順手でフィンガリングするより逆手でタッピングした方がやりやすいって理由でボスハンドタッピングする方もいますが、不要な弦をミュートするってのがこの奏法のキモになります。
「ボス・ハンドタッピング」どんな練習すればよい?
ボスハンドタッピングで弾かれるフレーズでよく出てくるのがコードトーンをタッピングするやり方。まずはこのパターンを基礎練習としてやってみましょう。
Aメジャーのコードトーンで構成されたパターン。タップする場所(コードトーンね)覚えてしまえば、あとは自分で、好きなタッピングパターンを組むのもイイ練習になりますね。
どうでしょう?実際にやってみると思っていたよりも、簡単っス。
下の図のようにタップするポジションを覚えてしまえば、どのメジャー系コードにも対応できます。
つぎは、マイナーのパターン。
メジャーパターンの長3度を半音下げた短3度にしたパターンになります。
次にマイナー(♭5)
これはマイナーパターンの完全5度を半音下げた減5度のパターンになります。
まずは3つのパターンを基礎練習とします。これでトライアドのダイアトニックコードに対応できるようになります。
5弦ルートパターンだけだと、コードのポジション移動が大変になるので、4弦ルートパターンも弾けるように練習してみましょう。
どうでしょう?意外に簡単。
しかも結構な高速でも、キツくないはず。意外に順手で弾くと難しかったりますね。
3声のダイアトニックコードでのボスハンドタッピング。
3つのパターンが出来るようになったら、これをダイアトニックコードで弾いてみましょう。
キーをCにした3声(トライアド)のダイアトニックになります。
ダイアトニックコードが把握できたら、自分の好きな曲のコードパターンを、タッピングするとイイ練習になります。
例えばTMネットワークの「ゲット・ワイルド」
こんな感じで、好きな曲に合わせてタッピングすると、飽きずに練習出来ますし、あんまりやらない右手の指の筋トレも飽きずにやれるようになります。
どうしても右手の指が動いてくれない場合は?
左手の指は普段フィンガリングしているのでよく動きますが、「右手の指が動いてくれない!」
そんな症状に効くトレーニングをご紹介。
前に紹介した、「3分間全力でトリル」
超かんたん!!3分から始めるHIITトレーニング的なトリル練習法。
これを右手も一緒ににやってしまえってやり方。
こんな感じのフォームで、左手の人差指3弦5f。薬指を3弦7f。
右手の人差し指を1弦13f。薬指を1弦15fにセットして3分間全力でトリルします。
譜割は気にせず疲れて遅くなってもいいので3分間やり切りましょう。
やり切ったら1分間休憩して、今度は人差指ー小指の組み合わせで、3分間トリルします。
で、1分間休憩して、次は人差指ー中指で、3分間トリル。1分間休憩して、人差指開放弦で、トリル...って感じで、右手の指を持ち上げる力を鍛えてみてください。
1日に15分のトレーニングで、効率よく指を持ち上げる力が付くので、試してみてください。
とにかく!超遅くなっても構いません!3分間やり切ってください!
数週間後には、やる前よりもスムーズに動く右手が手に入りますので、
歯をくしばって!血管を浮き上がらせて!トリル!トリル!トリル!っス。
「ボスハンドタッピング」最強の曲。JINMOの「太陽の鎮魂歌」
ボスハンドタッピングと言えば、高崎晃さんって感じですが、マニアックなところでは、42fの特製ギターを操る鬼才ギタリストとして名高いJINMO氏を挙げておきたいですね。
90年代「ギターマガジン」誌で、奏法解説やQ&Aコーナーを執筆されていた名物ギタリストさんです。
この方大変なタッピングの名手で、様々なタッピング技術を駆使した楽曲を多数作っているんですが、その中の1つに、オールボスハンドタッピングで、演奏されている「太陽の鎮魂歌」って曲があります。
いやー「ヤバい」っスねー。
動画の方はオリジナルより大幅にエディットされていますが、CDに収められている「太陽の鎮魂歌」は3分弱のとても、美しいタッピング曲であります。オススメ。
1998年に「学研」から発売された作品ですねー。学研すげぇ。慧眼っス。
3分弱オール「ボスハンドタッピング」で演奏された曲で、とても美しいラインをクリーントーンで高速で演奏された曲です。
なんと、このCDのブックレットにはJINMO氏直筆のTAB譜が付いていますので、ボスハンドタッピングを極めたい方の練習曲として挑戦してみてはいかがでしょうか?
私はJINMO氏と同じスピードで弾けませんが、ゆっくり弾いてもいい曲ですし、右手左手の指の鍛錬にもイイ効能がありますで、基礎練習に飽きたら挑戦してみましょう。
もし見つけたらギターファンなら即買いですね。
「太陽の鎮魂歌」の他にも、あらゆる技巧でJINMO氏が演奏されたパガニーニの24「カプリース24」のTAB譜も付いています。(これもギターの練習曲として優秀です。)
まとめ
最近やる人がめっきり減ってしまった感のある「ボスハンドタッピング」ですが、
見た目が派手ですのでステージ上で突然逆手にフィンガリングして決めのフレーズを高速でタッピング!!
って感じで今やったら受けるかも?っておもっております。(誰か再興して欲しいっス。)
タッピング時のミュート対策って面もありますので、覚えて損はないはず。
あんまり気合い入れずに...
まずは遊びのつもりで、逆手のフィンガリングに慣れてコードトーンをタッピングって所から始めるとよろしいと思います。
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