この記事では、オジー・オズボーンの「クレイジートレイン」を使って平行調を解かりやすく解説していきます。
「CメジャースケールはAナチュラルマイナースケールであーる!」
そうなんです。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・を、ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・から始めると、Aのナチュラルマイナースケールを作ることが出来ます。
これを平行調短調とか平行調長調って言います。
まぁそうなんですけど、これだと「ふーん」で終わっちゃうんで、オジーの名曲「クレイジートレイン」を題材に平行調を解説してみます。
この曲は、とても解かりやすく平行調の、短調と長調を行ったり来たりしているので、平行調の感じを味わいつつ、作り方を学ぶのに最適かな、と思っています。
平行調とは
ご存知Cメジャースケール。Cを中心(ルート音Ⅰ)にしたメジャースケールの列。
この列の6番目の音Aを中心(ルート音Ⅰ)にするとAマイナーの列を作ることが出来ます。
つまりCメジャーの中にはAマイナーが有り、Aマイナーの中にCメジャースケールが有るって関係になります。
これを平行調関係と言います。
ディグリーネームの注意点
番号(ディグリーネーム)を6から1にそのままズルっと移動すると、メジャーのディグリーネームになちゃうんで、マイナーのディグリーネームにします。
メジャースケールの3番目と6番目と7番目を半音下げるとマイナースケールになりますので。
今度はCメジャーにダイアトニックコードを載せてみましょう。
ダイアトニックコードの解説はこちら。
ということは、Cメジャーのダイアトニックコードの6番目を先頭にすると、Aマイナーのダイアトニックコードになります。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・を、改造しないで並び順を変えて作るCメジャーとAマイナースケールの関係を平行調。
3番目6番目7番目を改造して作るCマイナースケール。
ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド・この改造したCマイナーと改造していないCメジャーの関係を同主調って言います。
クレイジートレインで味わってみましょう。
オジー・オズボーンのファースト・ソロアルバム「ブリザード・オブ・オズ」から2曲目。
ギターはランディー・ローズ。名盤っス。
で、冒頭のギターリフを弾いてみましょう。
6弦2フレットの、F#マイナースケールで作られているのが、わかります。
Ⅰmは元Ⅵm。Ⅱm♭5は元Ⅶm♭5。♭Ⅲは元Ⅰ。って感じでマイナーのディグリーとメジャーのディグリーをセットで覚えると便利です。
トニー・アイオミがギターだったら、このままF#マイナーで展開しそうですが、ランディーは、ここから平行調のAメジャースケールに移動します。
ガラッと明るい雰囲気になりますねー。
Aメジャーにスムーズに、移動できるようにDとEのコードを挟むのがミソ。
AメジャーのサブドミナントⅣ(Ⅾのコード)とドミナントⅤ(Eのコード)を先取りで入れてマイナーからメジャーへ橋渡しをしてくれます。
で、またF#マイナーでBメロ部に移動して、Aメジャーに移動を繰り返すって感じの作りになっています。
このように明と暗を、違和感無く行ったり来たり出来るのが、平行調の特徴ですねー。
4度圏表で見る、平行調。
4度圏表を使えば、簡単に平行調を導く事が出来ます。
4度圏表ってなに?って方はこちらをどうぞ。
【超便利】見つめるだけで音楽理論が良く分かる。4度圏表の使い方と覚え方。
このように12時の所に、メジャーキーを置くと9時の位置に来る音名は、平行調のマイナーが来ます。
「クレイジートレイン」はAメジャーなのでクルクル回してAを12時の所に置くと...
9時のところにF#。F#マイナーが導く事が出来ます。
ギターだとターゲットになるメジャーキーから3フレット下がると(短3度下がる)平行調短調が導けます。
12時の所にF#マイナーを置くと、3時の位置は平行調の長調(メジャースケール)が導けます。
ギターならターゲットになるマイナーキーから3フレット上がれば(短3度上がる)平行調長調が導けます。
こんな感じで、クルクル4度圏表を回せば簡単に、いろんなキーの平行調を導く事が出来ます。
便利。
まとめ
このように、曲のキーを変えずに明(メジャースケール)と暗(マイナースケール)を、違和感無く行ったり来たり出来るのが、平行調の特徴ですねー。
逆に言うと、キーが転調しないのでインパクトが薄いって感じもします。
気が付かないうちに、メジャースケールかマイナースケールかよくわかんない曲もあったりしてて、それはそれで面白いところ。
曲にディグリーネームを書いてみて、分析してみると面白いですよー。
一言で、まとめると
「メジャースケールはナチュラルマイナースケールであーる!」
自分で曲作る時なんかに使える簡単なテクニックなので、4度圏表を片手に使ってみましょうって感じです。
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