前回は、メジャー系のモードの特性音。👇
今回は、マイナー系の特性音について解説します。
ドレミファソラシからなる、7つのモードですが大きく分けると、メジャー系とマイナー系+マイナー系仲間外れに分けることができます。

👆この図の様に、分けた上で「特性音」を学習すると入りが良いので、特性音を学ぶ前にこちら👇を参照してから学習すると良きです。
では、マイナー系ドリアンの特性音から解説します。
ドリアンの特性音。
引き続き軸音(ルート音)はCで解説していきます。
ドリアンの特性音は長6度。

👆Cドリアンは、五線譜でみると♭が2つ。
Cナチュラルマイナースケールの、6番目A♭を半音上げたスケールが、ドリアンになるので特性音は長6度のAになります。

なので、ドリアンのギターソロ弾く場合、特性音の長6度を強調して弾かないと、ドリアンサウンドにならないって事です。
で、特性音っていうのは、単音のフレーズだけじゃなく、コードに応用してモードサウンドを作ることが出来ます。
前回同様にドリアンで基礎コードを作ってみましょう。

👆Cドリアンで和音を作る。
構成音はC・E♭・G・B♭で、Cm7のコードができます。
これを通称「軸音コード(アクシスコード)」と呼びます。👇

👆ギターなので色んな押さえ方があります。
で、これに特性音の長6度のAを差し込むと...

👆セブンスを抜いたCm6かCm7に特性音を足したCm7(13)がドリアンのサウンドを表したコードになります。
この特性音を持ったコードを通称「マル特コード(プライマルコード)」って言います。
長6度はテンションコードで(13)になるので、ドリアンの特性音は「長6度/(13)」ってセットで覚えておきましょう。
で、先ほどの軸音コードとマル特コードを行ったり来たりして2コードを作る。

👆マル特コードだけでもモードサウンドになりますが、特性音を持たない軸音コードの2コードにする方が実践的なモードサウンドになります。(マイルス・デイヴィスの「SO・WHAT」みたいにね)
つまり、ドン・タン・ドン・タンって感じで、ドラムのキックとスネアのような関係で、2コードにしておくと、モードサウンドを提示しやすくなります。
👆これをエフェクターでループを作り、ドリアンスケールでギターソロを作ってみましょう。

こんな感じで、「ドリアンを打ち出した2コードのサウンドでドリアンスケールでギターソロを弾く!!」って練習をして各モードのサウンドを覚えていきましょう。
ばっちりハマるので、お試しください。
エオリアンの特性音。
旧ナチュラルマイナースケールである「エオリアン」
👇キャラクターの図でみると、マイナー系モードのセンターに位置するエオリアン。

👆マイナー系モードは♭が3つあるエオリアンを中心にみて、♭が1個減れば、「ドリアン」
♭が1個増えれば、「フリジアン」って感じで、イメージすると各モードの特性音が覚えやすくなります。
で、エオリアンの特性音は「短6度」

👆Cエオリアンの特性音は、短6度のA♭になります。
五線譜でみると♭が3個のCエオリアン。
同じ手順で、軸音コードを作ると...

👆こちらもドリアン同様にC・E♭・G・B♭が構成音になる、Cm7が軸音コードになります。
で、このCm7に、特性音のA♭を差し込むと...

👆「エオリアン」のマル特コードが出来上がります。これがエオリアンのサウンドコード。
ポイントは短6度は、増5度(#5)と異名同音なので、(#5)って表記になります。

短6度はテンションコードでは(♭13)なので、エオリアンの特性音は「短6度/(♭13)」ってセットで覚えておきましょう。
で、軸音コードとマル特コードの2コードを弾くパターン。👇

👆これが「エオリアン」サウンドになります。
このサウンドをバックに、ナチュラルマイナースケール(エオリアンね)のギターソロを弾くと、ばっちりハマります。
フリジアンの特性音。
♭が4つに増えて、だんだんサウンドが重く、暗くなっていきます。
フリジアンの特性音は短2度。

👆Cフリジアンの短2度は、D♭になります。
で、軸音コードを作ると...

👆こちらも、Cm7。
つまりマイナー系モードの「軸音コード」はすべてCm7になりますね。
これに特性音である、短2度のD♭を差し込むと...。👇

👆無理やり差し込むとこんな感じ。
テンションコードは(♭9)で、不協和音である「アボイドノート」になるんですが、当サイトでは「アボイドノートは気にしない!!」ってスタンス。👇
👆気になるなら押さえ方変えて、避ける。って感じ。
軸音コードと、マル特コードの2コードはこちらを推奨。

これに、フリジアンのギターソロを作ってみましょう。
スパニッシュで、ヘビメタっぽい感じのサウンドになりますね。
個人的に一番好きっス。
番外編。ロクリアンの特性音。
イオニア・ドリア・フリジア・リディア・ミクソ・エオリアの6モードのサウンドは、現代の商業音楽においても売れっこで、あらゆる場面で聴くことがあるサウンドですが、「ロクリアン」だけは、ヒット曲がなく、商業音楽では、ほぼ使われる事が無い不遇のモード。

なので、「ロクリアン」は排除しても問題なしですし、排除する事で、キャラクターの分け方もメジャー系/マイナー系を3対3になるので、覚えやすくなります。
ゆえに仲間外れのモードって扱いなんですが、あえて手順通りやってみますと...
ロクリアンの特性音は減5度。
♭を5個を装備した、非常に重く暗いサウンドになります。👇

Cロクリアンの減5度は、G♭。
で、ロクリアンで軸音コードを作ると...👇

👆ありゃ。特性音が入る、Cm7(♭5)になっちゃった。

この時点で、軸音コードに特性音の減5度(♭5)持ちなので、使いずらい不安なコードなんです。
m7(♭5)のサウンドは普段、Ⅱm7(♭5)~Ⅴ7のマイナーのケーデンスで、聴きまくっているので、調性の世界に持っていかれがち。
モードで聴かせるのが難しいです。
なので、特性音有りと無しの2コードの聴かせ方が、出来ない。
練習時は、Cm7(♭5)の1コードで、ロクリアンの練習って事になります。
おもしろ話としては、この不遇の「ロクリアン」を広めるべく立ち上がった「ロクリアン正岡」さんをご紹介。
👆ロクリアンを使った楽曲が、大量に聴けるので、ぜひ参考にして新しいサウンドの構築に活用してください!!
ヤバいっすね。
長年「ロクリアン」にこだわっているだけに、スゲー迫力があります。

このように現代音楽では、チャレンジされている方は散見されますが、なにせ誰でも知っているヒット曲がない!!
ホラー映画のテーマソング辺りで、「だれかロクリアンでヒット曲作らないかなぁー」って期待しています。
ロクリアン正岡さんの作品を聴いている限り、そんな変なサウンドじゃないし、うまく使えばポプュラーミュージックでも可能性のあるサウンドです。
だれかチャレンジして!!
まとめ
以上がマイナー系モードの特性音になります。
7つのモードの特性音を、まとめると...

👆長3度持ちのメジャー系。
中心のイオニアンから見てP4度を#させれば、リディア。
中心のイオニアンから見てM7度を♭させれば、ミクソ。って感じで、見ると覚えやすい。

👆短3度持ちのマイナー系。
ロクリアを除外して、中心のエオリアンから見てm6度を#させればドリア。
中心のエオリアンから見てM2度を♭させれば、フリジア。って感じで見ると覚えやすいっス。
この様に、「メジャー/マイナーを分けてから、各モードの特性音を入れ替えていく」って感覚で見ると「特性音」が覚えやすくなります。
で、重要なのが、実際に弾いて「耳で各モードのサウンドを聴き分ける」って練習をする事。

スケールだけ練習しても、サウンドが感じられないので、伴奏で軸音コードとマル特コードの2コードでモードサウンドを作り、その上でスケールを練習する事をお勧めします。
エフェクターで、2コードをループして、その上でギターソロを作曲すると毎日、楽しく練習出来ますし、自然と各モードのサウンドを聴き分けることが、出来るようになります。
毎日やっていると、日常生活の音楽の中で、
「あっ!!ドリアンサウンドだ!!」とか
「ドラクエのレベルアップの音はミクソリディアンっぽいな!!」
って気が付つく様になります。
ドレミファソラシドをいじくってるだけで、世界が広がっていくのが、面白いところ。

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