ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(Cメジャー)をラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ(Aマイナー)って感じで1番目の音を「ラ」からスタートするとAの「ナチュラルマイナー」スケールを作ることが出来ます。
こんな感じで、音階をいじらないで平行に移動して、メジャースケール・マイナースケールを行き来出来る関係を「平行調」とか「平行調・短調長調」っていいます。
英語だとrelative key/レラティブ・キー。
古今東西どのジャンルでも、よく使われているので、気が付かずに聴いていたり使っていたりします。
今回は、我々メタラー衆なら誰でも知っている、オジーオズボーンの「クレイジートレイン」を題材にして「平行調」の使い方を解説したいと思います。
「クレイジートレイン」は、とても分かりやすく、平行調の短調と長調を行き来した名曲なので「平行調は知ってるけど使い方がよくわかんない!!」ってメタラーの方には、最適な教材になはず!って思ったので取り上げてみました。
このテクニックを使えば、作曲の幅も広がりますので、覚えて損なし。是非活用してみましょう。
オジーオズボーンの「クレイジートレイン」ってどんな曲?
言わずもがな、元ブラック・サバスのヴォーカル、帝王オジーオズボーンのソロ・デビューアルバム「ブリザード・オブ・オズ」の2曲目に収録されている、オジーの代名詞的な曲。
ギタリストは当時無名の元クワイエット・ライオットのランディ・ローズで、オジーバンド加入で一躍有名になります。
しかし、82年の全米ツアー中に遊覧飛行で乗った飛行機が墜落。25歳の若さで亡くなってしまった伝説のギタリストです。
で、お題の「クレイジー・トレイン」なんですが、キーはF#のマイナーからスタートして、歌が始まる辺りでのリフは、平行調・長調のAメジャーで作られています。
当然ですが、平行調はC/Amだけじゃなく、12キー全てにセットされています。クレイジートレインは冒頭でF#mのリフが出てくるので、Aメジャーの平行調が想定されます。
スコア譜がある方は、最初の左端を見てみましょう。
Aメジャー・F#マイナーなので、楽譜に付いている調号は#が3つ付きます。(Cメジャー・Aマイナーのドレミファ~は調号無しです。)
楽譜の最初に付く調号が読めれば、弾く前に曲の平行調やコード進行の予測がしやすくなるので、覚えておくと便利っス。
クレイジートレインを分析すると...
「クレイジートレイン」はF#mからはじまります。コード進行はこんな感じで...
このコード進行の上に、F#mスケールで有名な単音のリフが乗っかってきます。
もしギタリストがブラック・サバスのトミー・アイオミなら、このままF#マイナーで歌の部分もダークな感じで展開しそうですが、ランディは平行調の長調に移動してAメジャーのリフを展開していきます。
Aメジャーのコード進行。
コード進行っていうか、5弦開放のAを鳴らしっぱなしで、ちょこっとA・E・Dって和音を挟むギター・リフですね。
この5弦の開放弦のAを軸にしてA-E-D-Aってコードを挟んでできたリフの上に、オジーの歌が乗っかる構造になります。
平行調の短調と長調は同じ音階なので、マイナーからメジャーに転調しても、あまり違和感なく曲に明と暗を演出できます。
サビの部分は又、冒頭のF#マイナーのコード進行に戻ってその上に、オジーの歌が加わります。
冒頭のリフだけ聴くと凄く「暗い」曲ですが、平行調を使って全体的には、明るい印象の強い曲になっているのが面白い所っスね。
よりスムーズに平行調を使うには?
平行調は、同じ音階を使っているので、他の転調よりスムーズに展開できますが、よりスムーズに展開させるには、ダイアトニックコードのⅤ7のコード(ドミナントコード)を挟むとイイでしょう。
クレイジートレインでいうと、この部分。F#マイナーとAメジャーを繋ぐ部分。
マイナーで聴かせている最後の所に、AメジャーのⅤ7(E7なんですがメタル系は7を省略するので、ここはⅤのE)を挟んで、スムーズにAメジャーのキーに乗り入れてますね。
で、逆にAからF#mに戻る場合。
「クレイジートレイン」ではⅤ7のC#7は、使わないでAになっていますが、再びF#マイナーに乗り入れる時はF#マイナーから見たⅤ7(C#7)を挟んでF#マイナーに行けば、よりスムーズになります。
こんな感じで、メジャー・マイナーのⅤ7を使ってメジャー・マイナーを乗り換えて行くとスムーズな転調をする事ができます。
平行調の簡単な導き方。
明るめの曲のキーが分かれば、その音名から3フレット下がったところが、平行調・短調になります。
逆に暗めの曲のキーなら、3フレット上がった音名が平行調の長調になります。
慣れないうちは、フレットの上げ下げを頭の中に思い浮かべて、平行調を導いていきますが、慣れてくると...
C=Am。Em=G。F#m=Aって感じで、フレットを数えなくても、瞬時に出てくるようになります。
「クレイジートレイン」は#3つのF#m=Aメジャー!!って感じで、好きな曲とセットで平行調を覚えると楽ちんですね。
そもそも「ギターのフレットが何の音名か分からない!!」って方は👇をどうぞ。超重要。
4度圏表・5度圏表で見る平行調。
この表をご存知でしょうか?
音楽理論書なんかで、必ず出てくる4度圏表・5度圏表。
私なんかは、部屋に貼っておいてます。
4度圏表見れば簡単で、指定したメジャーキーを12時の所に置いて、そこから見た9時の位置が平行調の短調になります。
逆に指定したマイナーキーを12時に置いて、そこから見た3時の音名が平行調の長調になります。
クルクル回る4度圏表を作って、12時の位置に指定したキーをおけば簡単に導けますね。
つまり...
4度圏・5度圏表で見る左右90度の位置が平行調の短調・長調の関係になっているのが一目瞭然になるわけです。便利。
他にも調号の導きや、裏コードの導きなどなど...
色々役に立つので、壁に4度圏・5度圏を貼っておくとイイっス。
まとめ
好きな曲で、平行調を分析してみました。
私の頭の中では、「クレイジートレイン」のおかげで「Aメジャーは=F#mだ!!」って瞬時に出てきます。
好きな曲のキーなら平行調・短調・長調がスラスラ出てくるようになるので、分析はオススメ。
4度圏・5度圏表も壁に貼っておくとイイっス。すぐ導けます。
マイナー・メジャーを行ったり来たりするには,、それぞれの「ダイアトニックコード」Ⅴ7を使うとスムーズに転調出来るので、作曲の役に立ててみてください。
にほんブログ村
にほんブログ村