ドレミファソラシから、スタート位置を変えると生成される、7つのスケール「チャーチモード」
各モードには、サウンドの特徴を決定ずける「特性音」ってヤツが存在します。

日本語で「特性音」。
外国では「キャラクティックス・ノート」とか「CT(キャラクタートーン)」など、色々な呼び名がありますが、日本人なので「特性音」で統一します。
例えば、Cリディアンでギターソロを弾きたい場合...

👆Cリディアンの特性音はF#なので、Cリディアンの中のF#を、目立つように配置してあげると「リディアンのサウンドが際立つ」って役割になります。

F#を避けて弾いちゃうと、イオ二アンがリディアンか、「どっちなんだい!!」って事になる訳ですね。
これが各モードに1音。
今回は、この「特性音」についての解説になります。
で、前回は7つのモードを「長3度持ちの「メジャー系」と短3度持ちの「マイナー系」に分けると、分かりやすくなりますよー」って話をしました。👇

メジャー系とマイナー系を分けてから、「特性音」を勉強すると、入りが良いので、前回の記事を復習しておくと良きです。👇
モードを操る上で、「特性音」は非常に重要なので、実際にギターで弾いて「サウンド」の違いも区別出来る様になるのが目標っす。
7つのモード「特性音」を覚える。
例のごとく、キーはCで統一して解説します。(普段聴きなれている、Cで統一した方がサウンドの違いがハッキリするし、五線譜で読むと構造が分かりやすくなるので)
ちなみに、キー(調)とかルート(根音)って言い方は「調性(トーナリティー)」の世界の言葉。
「トーナリティー」から離れた音楽を目指す「モーダリティ」では、「調性から離れる」って意味でルート音(根音)は「アクシスノート(軸音)」って言い換えれば、調性とモードの違いがイメージしやすくなります。

軸音は、バスケットボールにおける軸足をイメージするとイイっすね。
軸足を決めて、他の足でイオニアンに行ったりドリアンに行ったりって感じです。
メジャースケールが「イオニアン」。ナチュラルマイナースケールが「エオリアン」って呼び名が変わるように、「モード」は、調性世界とは別の音楽体系になるって意識を持って学習しましょう。
「リディアン」の特性音。
リディアンの特性音は、増4度。

👆キー(軸音)Cで弾くと、増4度なのでF#になります。
Cリディアンのスケールで、ギターソロを弾く時、この増4度(F#)を目立つように弾いてやると「リディアン」サウンドになるんですが...

特性音は、単音フレーズだけじゃなく、コードにも応用できます。
まず、このCリディアンで4和音を作ってみる。👇CM7。(3和音ならC。)

👆このようにモードの軸音(この場合C)から、作る和音を通称「アクシスコード(軸音コード)」って言います。C・E・G・Bで構成されますね。

👆ギターなので、色んな押さえ方がありますが、すべて構成音はC・E・G・B
特徴として、各モードの軸音コードには特性音は入ってない。(一部ミクソリディアンに例外あり。後ほど)
で、この軸音コードに特性音の増4度。
ここではF#を、どこかに差し込む(軸音のオクターブうえの#11だと綺麗ね)と「Cリディアン」のサウンドを表現したコードになります。👇
この特性音が入ったコードを「特性音コード」通称「○特コード」と言います。

👆既存のCM7の押え方に、無理やり(5度を省略したりして)特性音のF#(#11)を差し込んだ例。
増4度は、コードテンションに変えると(#11)と同じなので、CM7(#11)でリディアンのサウンドになります。

つまり、「リディアンの特性音は増4度!」
ってだけ覚えるんじゃなく、増4度とテンション(#11)ってセットで覚えておくと良きですね。
CM7(#11)の1コードだけでも「リディアン」サウンドになりますが、アクシスコードのCM7と特性音が入ったCM7(#11)の2コードで、行ったり来たりすると「リディアン」サウンドが際立ちます。👇
練習方法としては...

👆これを繰り返す。
ルーパー機能が付いてるエフェクターで、ループを作ってリディアンスケールのギターソロを弾くと、バッチリ「ハマる」ので、やってみて。

ちょっとややこしいですが、今は考え過ぎずに、
「CM7~CM7(#11)」のコードでCリディアンを弾いてサウンドを味わう!」
って感じでOKです。
「イオニアン」の特性音。
旧メジャースケールの「イオニアン」
キャラクターの図👇でみると、メジャー系モードの、ちょうどセンターに位置するイオニアン。

7モードのサウンドや、特性音をまとめて覚えるよりも、👆イオニアンを中心に、1個#が増えれば「リディアン」。♭1個で「ミクソリディアン」って感じで分けて、イメージするとサウンドや特性音が覚えやすくなります。
で、イオニアンの特性音は、完全4度。

👆キーC(軸音C)で数えると完全4度はF。
で、同じ要領で、軸音コード(アクシスコード)を作ると...

👆こちらもCM7。
これに特性音のF(11)を差し込むんで、「マル特コード」のCM7(11)を作ると「イオニアン」サウンドになるんですが...

👆CM7にF(11)を差し込むと、E・Fで不協和音(いわゆるアボイドノート)になるので、ちょっと難しい。
当サイトは「アボイド」は気にしないってスタンスなので、👆の様に使うも良し。
気になるなら👆の様にE省略でするも良しで。
で、軸音コード+マル特コードの2コードの例。👇

👆ちなみにCM7(11)はCsau4と同じ構成音。
なので、C(11)~CM7で弾いちゃうと「sus4」サウンドである「アーメン終止」に聴こえちゃう。
いいサウンドですが、これだと調性感が強く、モードっぽくないので避けたいところです。
なのでCM7~CM7(11)って順でループして練習しましょう。
ミクソリディアンの特性音。
ミクソリディアンの特性音は、短7度。

👆軸音Cで数えると短7度はB♭になります。
で、Cで軸音コードを作ると...C7になるんですが...👇

2コードで学習するにあたって、各モードの「軸音コードには特性音は入らない」って事になっているんですが、ミクソリディアンの場合、軸音コードに特性音が入っちゃっています。👆
これだと2コードで「特性音有りコード」と「特性音無しコード」の行ったり来たりが出来なくなる。
なので学習じょうの理由で、ミクソリディアンの軸音コードは3和音のCを採用します。

👆これがミクソリディアンの軸音コード。これで特性音が無しになります。
で、これに特性音の短7度を差し込むと...C7になります。

これが「ミクソリディアン」のサウンド。
2コードで対比するとこんな感じ。👇

👆このコードでループを作り、ミクソリディアンのスケールでギターソロを作ってみましょう。
まとめ
メジャー系の特性音は以上3つ。次回マイナー系を解説します。
このモードの学習法は菊地成孔さんの、「ゼロからの音楽文法」を参考にして解説しております。
鬼才ですね。
で、音楽学習の講師としても大変、優秀な方で楽しく分かりやすいっス。
今回出てきた軸音コード(アクシスコード)と特性音を入れたコード(○特コードって言ってますね)は、検索かけても出てこないワードでして、まだ世の中には、あまり流通していない音楽用語って事をご了承ください。
今回、私が学習してみて一番面白かったのは、この軸音コードと○特コードの2コードで、「モードのサウンドを味わう!」って所。

今までは、7つのモードを単音で弾いてモードを学習して「ふーん」って感じで、終わっていましたが、この2コードの技法を使うと、サウンドの違いが明確になって楽しく学習出来ました。
ロックギタリストがモードを学ぼうとすると、ただスケールだけ弾いて、「何だかよくわからんし、つまらない!」で、終わっちゃう方が多いと思います。
そこでスケールだけじゃなく、軸音コードとマル特コードを作って、2コードをループし、各モードのギターソロを練習すると立体的にサウンドが分るし、とても楽しいっス。
お試しください。

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