前回は「ツー・ファイブ」を1つの「ケーデンスのユニット」として考えて、4つのバリエーションを勉強しました。
「ツー・ファイブ」にも、色んなバリエーションがあるんですねー。難しく考えずにフィンガリングのエクササイズ的に捉えて、手癖にしちゃうとイイです。
で、今回はこのバリエーションを使って、コード進行アレンジ(リハモナイザー)をしてこの「ツー・ファイブ」を使いこなすって練習をしてみます。
セカンダリードミナントに「ツー・ファイブ」を組み込むと、コード進行のアレンジが広大に広がりますので是非習得しておきたい所。
「セカンダリードミナント」とか「ツー・ファイブ」とか難しい言葉が出てきて、嫌になりそーですが...
難しいカタカナの割に実は簡単な話ですので、メタラーの方も「俺パワーコードしか弾かないからイイや!」と言わずに、この機会に覚えちゃいましょう。
セカンダリードミナントとは。
まずは、「セカンダリードミナント」コード進行の勉強でよく出てくる、この難しそうな言葉から解説します。
「2次ケーデンス」とか言う人もいますね。
一言で言いますと...
全てのコードは一時的にⅠトニックになって、自分の前方にⅤ7を置く事が出来る!
つまり...
普段はキーに合わせて、それぞれ番号と役割が与えれあれているんですが、楽曲の中で、一時的に主役化(仮トニック)して、自身の相方(Ⅴ7の事ね)を前方に配役出来るってイメージです。
例えば、CとAmを繰り返すだけのコード進行を...
こんな感じで、本来ダイアトニックコードに存在しないコードを呼び込む技法を「セカンダリードミナント」とか「2次ケーデンス」って言います。
セカンダリー・ドミナント。さらに増築すると...
「セカンダリー・ドミナント」で呼び込んだⅤ7。
更にもう1個Ⅱm7(もしくはⅡm7(♭5))を呼び込んで「セカンダリードミナント」のツー・ファイブ化って事も可能になります。
Ⅱm7(♭5)の所は仮トニックのコード(この場合はAm7)がマイナー系なのでⅡm7(♭5)を使うのが定石。
仮トニックがメジャー系の場合は、Ⅱm7ーⅤ7って行くのが自然な流れになります。
前回やった「ケーデンスユニット」の裏切りパターンを応用すればⅡm7(♭5)をⅡm7に書き換えるのもOKっス。
セカンダリー・ドミナント使ってアレンジしてみよう。
例えば、メジャーダイアトニックコードを順に下降するコード進行。
流石に全部のコードを無理に変えると、ウザい感じになるので骨組みは残して1個置きにアレンジしてみましょう。
なので、Am7とFM7とDm7を仮トニックにしてセカンダリードミナントの「ツー・ファイブ」を青〇に差し込んでみます。
2小節目はAm7を仮トニックにした「ツー・ファイブ」で仮トニックがマイナー系なので、パターン2の5弦ルートの型をいれました。
4小節目はFM7を仮トニックにした「ツー・ファイブ」で仮トニックがメジャー系なので、パターン1の6弦ルートの型をいれました。
6小節目はDm7を仮トニックにした「ツー・ファイブ」で仮トニックがマイナー系なので、パターン2の5弦ルートの型をいれました。
8小節目は1小節目のC(本当のトニック)に着地したいので、通常の「ツー・ファイブ」Dm7-G7のパターン1で完結って感じです。
どうでしょう?ベースラインに動きがでてきて、ダイアトニックコード以外の移民的コードが混入して賑やかな感じになりますね。
「ケーデンスユニット」の4パターンを使えば簡単コードアレンジ術
「セカンダリードミナント」にツー・ファイブを組み込むだけでも、コード進行が豊かになりますが、前回勉強した裏コードや、m7とm7(♭5)の使い分けパターンを使えば更にバリエーションが増えていきます。
例えば、先ほどのコード進行に...
1回目のセカンダリードミナントは普通に表の「ツー・ファイブ」して、2回目の所は裏コードにして3回目は表。4回目は裏コードってアレンジしてみました。
または6小節目のEm7(♭5)をEm7にして、メジャーコードに行くと見せかけて...Dm7!って感じにしても悪くないっス。(ちょっとやさしい感じになります。)
こんな感じで4パターンを駆使しただけでも、かなりのアレンジが出来る様になります。
ちょっとゴチャゴチャしてうっとうしいなー。
もっとシンプルにアレンジしてみたい。
この「ケーデンスユニット」は気に入った部分だけ使ってもOKです。
例えば、さっきの表と裏を駆使したパターンを...
2小節目はⅡ-ⅤのⅤだけチョイス。4小節目はⅡ-ⅤのⅡをチョイス。6小節目はⅡーⅤのⅤをチョイスして、8小節目はこのままの方がカッコイイので「そのまま!」って感じでアレンジしてみました。
こんな風に、取りあえずガサガサ「ケーデンスユニット」を入れてみて、気に入ったヤツだけを選ぶって作戦でアレンジを考えてみるのも有りっス。
まだまだ出来る。「ツー・ファイブ」変形アレンジ。
4つのパターンに飽きてしまっても大丈夫。まだまだ変形できますよー。
偽終止系の「ツー・ファイブ」
例えば、先ほどの2小節目のAm7を仮トニックで見た「ツー・ファイブ」を...
これをDm7-G7に書き換えてみる。
キーCメジャーのダイアトニックコードの終止形であるG7(Ⅴドミナント)ーC(Ⅰトニック)。Ⅰに行かないでⅥm(代理トニック)に落とす偽終止って進行なんですが、もう一つ別の見方もありまして...
この仮トニックのAマイナーダイアトニックから見た謎のⅣm7-♭Ⅶ7。
このⅣm7-♭Ⅶ7の正体は...
つまり、メジャーのダイアトニックコードの「ツー・ファイブ」の動きだけを借りてマイナーダイアトニックⅠm7に終止する変形の「ツー・ファイブ・ワン」って見方もできます。
第5のパターン。ツー・ファイブ・ワンの「ワン」を偽終止するパターン。
「ツー・ファイブ」の5パターン目の「ケーデンスユニット」としてこれも覚えちゃいましょう。
ちょっと混乱ちゃう方は、ターゲットのⅠ仮トニックの1音(2フレット分)を7コードにすれば偽終止(D・C。ディセプティブケーデンス)になる!って覚えてもOKです。
ターゲットの仮トニックはメジャー系のコードでもマイナー系のコードでもOKです。
ちょっとややこしいのでⅡーⅤーⅥ(平行調のⅠ)の形にさえなっていればデセプティブケーデンスは成立って事で取りあえずはOKです。
かなり転調感が強いので取り扱いには注意ですが、中々魅力的な進行であります。
デセプティブケーデンスも裏コード化OK
当然ですがこの「ケーデンスユニット」も裏コードに出来ます。
そうすると...
パターン6。偽終止の「ツー・ファイブ」裏コードって感じです。
これは中々ヤバいっすねー。一瞬出処がわかんない感じがイイです。
これはこれでカッコイイっス。
こちらのパターンも試してみて良くなかったら、どちらかを消去して残すのもアリです。
【裏コードとは?】表と裏を使い分けてコード進行をアレンジしちゃおう。
裏コードは4度圏表を見れば簡単に導けるので、活用してみてください。
ドミナントコードの表ー裏ーⅠ進行。
「ケーデンスユニット」は、ばらして使ってもOKです。
例えば、Ⅴ7と、この裏コードであるⅡ♭7を並べることもできます。
オモウラ進行とか言ったりしますね。
これも使いやすい。どこでも使える「ケーデンスユニット」っス。
まとめ
どうでしょう?もはや「何でもアリ!」って感じですが(何でもアリでOKなんですが)こんな感じで
「ツー・ファイブ」を駆使して色々こねくり回すと、結構アクロバティックなコード進行を作る事が出来るんですね。
適当にコードを当てはめるよりも、「ツー・ファイブ」をイジリ倒すと、色んな可能性が生まれて来そう。
コードアレンジに行き詰まったら、「ツー・ファイブ」イジリをすると意外なコード進行アレンジが生まれるかも?って作戦です。
お試しあれ。
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