ロックギタリストにとって、謎多きチャーチモード/モードの技法。
👆太古の昔、教会旋法から調性音楽。そしてモードジャズって歴史をたどる訳なんですが、現在のチャーチモード/モード技法のキモは、バッハ以降、世界の商業音楽をほぼ支配している、「調性音楽」からの脱却とか、「アンチ調性音楽」って側面があります。
つまり、現代のコード(機能和音)やハーモニーに支配されている「調性音楽」の旋律(メロディー)を自由に独立し解放しよう!!
って試みが、現在のチャーチモード/モード技法の目的になります。
今回は、この7モードのサウンドの特色を解説して行きます。
図解で見る「チャーチ・モード」サウンドの特色。
前回の解説で触れましたが、7つのモードは「明るいサウンド(メジャー)」「暗いサウンド(マイナー)」だけじゃ表現出来ない、明るい暗いの間の微妙なサウンドを表現できる!!ってのが特徴です。
で、教科書通りにメジャースケールのドレミファソラシを順に、スタート位置を変えてスケールを作ると、Ⅰイオニアン・Ⅱドリアン・Ⅲフリジアン・Ⅳリディアン・Ⅴミクソリディアン・Ⅵエオリアン・Ⅶロクリアンって、7つのモードが生成されます。
俗に言う「イ・ド・フ・リ・ミ・エ・ロ」ってヤツ。
暗記事項なので、どうしてもこの順番で覚えちゃうんですが...
この順番では、各モードのサウンドってのがイマイチ分かりずらい。
ですが、このⅠ・Ⅱ・Ⅲ~って並びを変えると、突如として7モードのサウンドが分かりやすくなります!!
こんな感じ。👇
上から3つはスケールに長3度を持つ「メジャー系」で、次の3つはスケールの中に短3度を持つ「マイナー系」
で、一番下「ロクリアン」は短3度のマイナー系ですが、あまりにも出番が少ないので、とりあえず「特別扱い」無きものって図式になります。
順番が大事で、上位から...
リディアン
イオニアン
ミクソリディアン
ドリアン
エオリアン
フリジアン
ロクリアン
って覚えましょう。
さらに、この図解のメジャー系・マイナー系のセンターに位置するのが「旧メジャースケール」と「旧ナチュラルマイナースケール」ってのがポイントになります。👇
で、センターに旧メジャースケール・旧ナチュラルマイナースケールが位置しているのを踏まえて、サウンド別にキャラクターを設定してみると...
👆旧メジャースケールである「イオニアン」と、旧マイナースケールである「エオリアン」がそれぞれの系統のセンターに位置し、「ノーマルに明るい人」「ノーマルに暗い人」を形成。
で、その上下で「とびきり明るい人」や「ちょっと暗い人」など、同じ「明るい人・暗い人」でも「コントラスト」がある!って、イメージでサウンドを聴き分けるとイイでしょう。
五線譜でみる、「チャーチ・モード」のサウンドの特徴。
キーCで7つの「チャーチモード」を五線譜で見ると、さらにサウンドのイメージしやすくなります。
くり返しになりますが、モードは軸音(調性界で言うとルート音。この場合C)を固定してCリディア・Cドリア・Cミクソ~って弾くとサウンドの違いが分かりやすくなります。
まずは、五線譜に#・♭も付かない「イオニアン」
👇「ノーマルに明るい人」なので、#・♭は付かず。
これをもっと「とびきり明るい人」リディアンにするには...
👆Fの所に#を入れると「とびきり明るい」リディアンになります。
明る過ぎて、ちょっと浮いてる感じのサウンドです。
で、「明るいけど、ちょっと影がある人」ミクソリディアンにするには...
👆Bの所に♭が入る。
すると「明るいけど、ちょっと影がある人」ミクソリディアンになります。
ここから先は、♭が1個ずつ増えて暗いキャラクターのチャーチモードに入っていきます。
「暗いけど、ちょっと明るい所もある人」ドリアン。B・Eが♭
「ノーマルに暗い人」エオリアン。B・E・Aが♭。旧ナチュラルマイナースケールっす。
「かなり暗い人」フリジアン。B・E・A・Dが♭
そして「絶望的に暗い人」ロクリアン。B・E・A・D・Gが♭
👆この様に、「♭が1個ずつ増えるとサウンドが暗くなる」って構造になります。
#付きのリディアンから、なにも付かないイオニアン。
そこから♭付のミクソ・ドリア・エオリア・フリジア・ロクリアって♭が増えるんですが、これは五線譜における調号の場所と一致する!ってのも覚えておきましょう。👇
ちなみに「絶望的に暗い人」ロクリアンですが、ここが限界点で、さらに♭が増えるとBリディアンになります。
👆♭が増えて絶望的に暗い過ぎる人が、場所をかえたら「面白い人」になっちゃった!ってイメージ。
改めて図にまとめるとこんな感じ。
👆「モード」は「反調性」を目指す音楽理論なので、明るい(メジャー)・暗い(マイナー)って表現や、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲって呼び方が、そもそも調性を想起させるので、あんまり良くないっス。
あえて調性を離れるって意味でシンプルにイメージを表現するなら...
👆軽い・重いで表現すると、調性から離れた名称になるので、しっくりきますね。
モードサウンドのイメージとして、ご参考に。
まとめ
👆の様に図解にしたサウンドのイメージを踏まえた上で、ギターでチャーチモードの「スケール練習」すると、各モードのサウンドの特徴が鮮明になると思います。
五線譜の図解も面白くて、#・♭の位置は、調号と一致します。
五線譜の図解も気にして練習すると、より立体的に「モードサウンド」が理解出来ると思いますので、楽譜苦手なギタリストも多いと思いますが、これを機に勉強するのも一興かと👆。
次回は、チャーチモードを操る上で超重要な「特性音」について解説します。
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