ジョー・サトリアーニの名盤「サーフィン・ウィズ・エイリアン」に「ミッド・ナイト」って小曲があります。
これ、タッピング入門に最適で、難易度も高くないですし、弾いててとても楽しい曲。
私も、この曲でタッピングのやり方を学びました。
今でもタッピングする指を鍛える時に、この曲を練習しています。
「タッピングに興味あるけど難しそう」とか「タッピングに挑戦してみたい!!」
って方に、簡単なエクササイズ練習を使って「ミッド・ナイト」を攻略して、楽しくタッピング奏法を修得しよう!ってのが今回のテーマです!!
タッピング奏法?/ライトハンド奏法の違いとは?
タッピングと言っても、色々なバリエーションがありまして...
ロックギター界ではエディー・バン・ヘイレンで有名な「ライトハンド奏法」
高崎晃さんの得意技「ボス・ハンドタッピング」
ジェフ・ワトソンの「エイトフィンガー」などなど...
プロレスの必殺技みたいに、名前がついていて楽しいんですが...
そもそもタッピングとライトハンド奏法って同じじゃないの?
違いって何?って疑問が...
タッピング奏法って言葉よりも有名な「ライトハンド奏法」
これは、1本の弦上で、右手も混ぜてハンマリングオン・プリングオンオフするやり方で、厳密に言えばタッピング奏法とはいえません。
今回のテーマの「タッピング」は...
弦を「はじく」のではなく文字道理、弦を「タップ」してピアノのように、弦を押すように弾くのが「タッピング奏法」になります。
代表選手は👆のスタンリー・ジョーダンっスね。
「ライトハンド奏法」と違って「タッピング奏法」は音の強・弱を付けやすいって利点があります。
クリーントーンで弾けば、スタンリー・ジョーダンのように、強・弱を付けて繊細なプレイが出来るようになります。
ただ、実践になるとタップもハンマリングオン・プリングオンオフも混ぜ混ぜで、プレイするので右手と左手、両方でフィンガリングする、すべての奏法の総称を「タッピング」って言うのが現在の名称の通例になりました。
で、今回の「ミッド・ナイト」は、音の強・弱の表現を使う「タッピング」のほうになります。
タッピング練習する前の注意点。
タッピング奏法をキレイに弾くために絶対必要なのが、ヘッド側の不要な弦のミュート。
コレ!👆
タッピングすると赤丸部分の弦がどうしても鳴ってしまう。
不要な弦が鳴ってしまうと、とてもノイジーで不快なのでミュートの必要があります。
ミュートの簡単な対策としては、ローフレット部分にハンカチやリストバンドなどを巻いてミュートしてみたり...
最近は楽器屋さんで、「フレット・ラップ」ってオシャレなミュートアイテムもあります。
ちなみに私は以前「フレット・ラップ」使ってたんですが、ちょっとミュートが甘いので、100円ショップの物を駆使して自作でミュートダンパーを作ってみました。
開放弦なんかも使いたいので、取り外しが簡単なヤツがイイっすね。👇
これは便利!!
ジェニファー・バトゥンやマイケル・アンジェロが使っているダンパー。
今、売ってないんかな?
タッピング練習の大基礎練習。
これが👇「ミッド・ナイト」の大基礎になるエクササイズ練習。
まずはメトロノームに合わせて、このフレーズを徹底的に練習。
サトリアーニは♩=170くらいでタッピングしますが、当面の目標は♩=120くらいでしっかりタッピング出来る様にしましょう。
タッピングは右手・左手の指先で行います。
で、指を持ち上げて(手首を持ち上げちゃダメよ)垂直に指先を押し込むようにタッピングします。
リズムがヨレないように注意して、この大基礎を練習します。
フィンガリングに注意して、このフレーズをしっかり練習!!出来るようになれば、この曲の半分は出来たも同然です!!
当然ですが、クリーントーンで練習。
リバーブくらいは掛けて練習しても良いですが、コンプは厳禁で指先だけで、出来る限り大きな音を出せるように練習します。
指をしっかり持ち上げて、垂直に指先を押し込まないと力が伝わらず、情けない音になるので注意。
大基礎のバリエーション練習。
大基礎で、しっかり「タッピング」出来る様になったら次のフレーズを練習。
ほぼ大基礎と一緒。最後の3・4小節だけ違います。
まずは、ここまで。
出来る様になったら、エクササイズ練習を繋げてみましょう。
ゆっくりテンポで大丈夫です。♩=120くらいで強・弱付けて弾いた方が良い演奏になります。
もう一巡します。EX-2だけちょっと変わります。
で、EX-2Aを挿入して...
これで冒頭のセクションが完成します。
リズミカルな和音タッピングの練習。
アルペジオのタッピングの次は和音タッピングの練習。
大基礎になるフレーズがコレ👇
フィンガリング自体は難しくはありませんが、タッピングのリズムに注意。
左手=赤 右手=青 ですると...
タータカタータカ・タータカタータカ・タータカタータカ・タータカタータカって感じで、タッピングします。
自分の実力以上のテンポで弾くとせっかちな演奏になってカッコ悪いっス!!
突っ込み気味になる傾向がある方は、メトロノームのクリック音を裏に置いて練習すると改善します。
録音してチェック!!
私はループ機能の付いているマルチエフェクターで、エクササイズのループを作って演奏をチェックしてます。
リズミカルなコードタッピング練習のバリエーション。
和音タッピングの大基礎が出来るようになったら、次のエクササイズ。
リズムパターンは一緒なので、そんなに難しくはないですが、EX-7のフィンガリングがちょっと押さえずらいので、注意っスね。
繋げてみましょう。
後半の和音タッピングのエクササイズは次の通り。
似たようなエクササイズが続くので、エクササイズの順番に注意。
繋げると...
エクササイズが進むにつれて、強めにタッピングして盛り上げていきましょう。
エンディング部分のエクササイズ。
リズミカルなコードタッピングの次はエンディング部分のエクササイズ。
大基礎のフレーズを短縮した感じのアルペジオパターンっスね。
EX-17を2回弾いて、最後を伸ばさないEX-17を2回弾きます。
クライマックスの部分は...
エンディング部は、徐々にスピードアップして盛り上げて弾いていきましょう!!
「ミッド・ナイト」を上手く聴かせるコツは?
サトリアーニの「ミットナイト」とてもいい曲なんですが、彼の演奏はとても淡泊で素っ気ないところが残念な所。
この「ミッド・ナイト」をサトリアーニより10倍上手く弾いている演奏があるので紹介します。
90年代に「ギターマガジン」誌に奏法のコラムやQ&Aのコーナーでお馴染みの名物ギタリスト「ジンモ」の98年のソロアルバム「コントルアタック・ガンマ」に収録されてい「ミットナイト」が素晴らしいっス。
サトリアーニと違って音の強・弱の付け方や、速いテンポ・遅いテンポを使い分けて、「ミッド・ナイト」を劇的に表現しております。スゲェなぁ。
サウンドメイキングも素晴らしくて、深めリバーブに加えて、ピッチシフターで1オクターブ上の音をほんの少しだけ混ぜるのもポイントです。
1オクターブ上の音をほんの少しミックスすると「キラキラ」感が出てイイ感じ。この辺は真似してみましょう。
音の強・弱の付け方は、こんなイメージで👇
けしてサトリアーニのように、平坦で淡泊な演奏にならないように気を付けましょう。
ユーチューブにジンモ氏の「ミッド・ナイト」のライブ演奏が上がっていたのでご参考に。
ご覧の通り、ギタリストって枠には収まりきれない、大変な鬼才さんです。
「コントルアタック・ガンマ」はすべて無伴奏のギターソロ・アルバム。
つまりギター1本、オーバーダビングなしで演奏されたアルバムで「ミッド・ナイト」の他、パガニーニのカプリス24など、聴きごたえたっぷりのギターアルバムなので、ギターファンは見つけたら即購入っすよ。
まとめ
難しそうに、見えますがやってみると意外に簡単。
サトリアーニやジンモ氏のように高速タッピングできなくても大丈夫。
テンポ♩=130辺りで、強・弱を付けたり、テンポの緩・急を意識して演奏すれば、とてもいい曲になります。
逆に一本調子の速いだけの演奏だと、つまんない曲になりますので注意。
メトロノームでエクササイズをみっちりやって、シメはメトロノーム無しで強・弱と緩・急を意識して「ミッド・ナイト」を一曲丸ッと演奏!
って練習を毎日やれば、自然に左指だけじゃなく、右指も鍛えられるでしょう。
最終的には自分でエクササイズをアレンジして、ジンモ氏のように自由自在に「ミッド・ナイト」を作り直して自分流の「ミッド・ナイト」を作って演奏してみましょう。
こうなると「限りない一生モノの練習」になりますねぇ。
バン・ヘイレンの「ライトハンド」は歪んだギターで、ド派手なトリッキープレイですが、クリーントーンのタッピングプレイはピアノのように、繊細なプレイも可能になりますし、まだまだ可能性がありそう。
メタル系のド派手タッピングもイイですが、繊細に弾くタッピング奏法も中々楽しい。
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