この記事では、ロックギタリストには馴染みの薄い4度圏表(サークルオブフォース)の覚え方、使い方について書いています。
音楽理論書なんかでよく出るこの表。
4度圏とか5度圏とかサークルオブフィフスって呼ばれてるヤツです。完全4度か5度でグルグル回っているだけの表なんですが。
これ音楽理論の法則がたくさん詰まったとても便利な表なんですね。
なんですが、何故かロックギタリストには馴染みが薄い。
「ヤングギター」や「ギターマガジン」なんかでも、チョロっと見かけますが具体的な使い方とか見方ってよくわかんないままスルーしちゃいがち。
それはもったいない!!のでこの記事では、具体的な使い方と覚え方を解説してみます。
4度圏?5度圏?サークルオブフィフス?サークルオブフォース?
文字どうり時計回りに4度で回る表が4度圏表(フォース)5度で回る表が5度圏表(フィフス)って呼ばれていますが、同じ物と考えてOKです。
傾向としてはジャズ系の方は4度圏。クラシック系の方は5度圏で読むみたいですねー。
で、当サイトでは4度圏表を推奨します。
なんで4度圏表推しかと言いますと...
このように4度圏だとケーデンス(終止形)が見やすい。ターゲットにしているキーの左隣がⅤ7になるので時計回りでケーデンスが回っている表になります。
さらに...
Gの隣のDにm7もしくはm7♭5を書き込むと、ケーデンスの最重要形態のツー・ファイヴ・ワンを簡単に導くことが出来るようになります。
というわけで5度圏ですと反時計回りになり大変見にくいので、4度圏を推奨します。
いろいろ分かる!4度圏表のいろんな見方。使い方。
時計回りで見るとツー・ファイヴ・ワンがグルグル回っているので作曲する時に、この表を使えば単調なコード進行でも、簡単にアレンジする事が出来ますね。
その他にも...
平行調短調が簡単に分かる。
Cを12時の所に置いた時に来る9時の所を見てみましょう。
9時の所に来る音名にmを付けると、Aマイナー。つまりCメジャーAマイナーの平行調短調の関係になります。
さらに...
12時の音名にmを付けると、3時の所はマイナーから見た平行調のメジャー。
つまりCmとE♭メジャーの平行調関係が導けるわけです。おぉー!ってなる所っスねー。おもしろい。
楽譜の調号が一目でわかる。
楽譜の左端にあるこの調号。
調号の数を4度圏表に当てはめると、その曲のキーが簡単にわかります。
12時のCは調号無しのCメジャー/Aマイナーで、右回りで1個ずつ♭が付きます。
左回りですと1個ずつ#が付きます。
例えば楽譜の左端に♭が3つ付いて入れば...
4度圏表を右に3つで、E♭メジャー/Cマイナーだな!ってなります。
#が5個なら、左に5つ回ってBメジャー/A♭マイナーだな!ってなります。
最初の画像は♯が6個なのでF#メジャーってなります。
便利。
裏コードが簡単に分かるようになる。
4度圏を使えば「ドミナント」「サブドミナント」の位置の他に「裏コード」の位置も簡単に導けるようになります。
【裏コードとは?】表と裏を使い分けてコード進行をアレンジしちゃおう。
スケールが図形化できる。
例えばCメジャースケール。
ターゲットのキーの右隣のF。ここから半分塗りつぶすと...
Cメジャースケールの構成音になります。
表をクルクル回して12時の所にルート音を置いて半分の図を書けば、ほかのキーのメジャースケールの構成音が分かります。
線で結ぶやり方もありまして...
こんな感じで、コードの構成音を図形にして導く事が出来ます。
便利。
ギターで覚える4度圏表。
今回のメインテーマはこの便利な4度圏表を何も見ないで、サッと書けるようにしたい。
右に4度。左に5度で回っているだけなので、丸暗記できる方はイイんですが、私は記憶力良くないし、丸暗記だとすぐに忘れてしまうんです。
そこでギターのポジションを使って4度圏表を覚えるやり方を紹介します。
これなら一生忘れないっス。
#系左回りの覚え方。
まず、スタートはC。5弦3フレット 左に1個回って。
G。3弦開放弦 左に1個回って。
D。4弦開放弦 左に1個回って。
A。5弦開放弦 左に1個回って。
E。6弦開放弦で、オクターブ上がって4弦2フレットに切り替え。 左に1個回って。
B。5弦2フレット 左に1個回って。
F♯ 6弦2フレット 左に1個回って。ここで2フレット上がって
C♯(Dフラット) 6弦4フレット で、♯が7個付いたのでここで打ち止め。
♭系右回りの覚え方。
次は♭系右回り。
スタートはC。5弦3フレット。右に1個回って、6弦1フレットに飛びます。
F。6弦1フレット。右に1個回って、
B♭5弦1フレット。右に1個回って、
E♭。4弦1フレット。右に1個回って、
A♭。3弦1フレット。ここから6弦4フレットのA♭に切り替え。右に1個回って、
D♭。5弦4フレット。右に1個回って、
G♭。4弦4フレット。右に1個回って、
B。3弦4フレット。で、♭が7個付いたのでここで、打ち止め。
これで4度圏表が完成しました。
どうでしょう?こんな感じで私はギターのポジションを使って覚えました。
左回り5度。#系は上に弦移動して、右回り4度。♭系は下に弦移動します。
指板の音名に不安がある方はこちらをどうぞ。
1日1回紙に円を書いて、ギターのポジションを頭に思い浮かべて左回り。右回りって書いていくと忘れないで記憶に残るはずです。
まとめ
4度圏表は、音楽理論を分かりやすく図形化できるので、ぜひ活用してみましょう。
今回のポイントは
- 5度圏表より4度圏表の方がケーデンス(終止形)の動きが読みやすいのでオススメ。
- ギターのポジションをイメージすると簡単に4度圏表が書けるようになるよー
- 覚えると作曲時のコードアレンジが簡単にできますよー
ただ4度で回っている表なんですが、本当に良く出来た表で、これを活用すれば音楽理論も面白くなってきます。
私の様な音楽理論苦手な方にオススメです。
お試しあれ。
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