スコア譜の最初に出てくる、#や♭。
これは、何を意味しているものでしょうか?
これは、楽曲におけるキー(基になる音)を示した【調号】と呼ばれるものです。
昔、学校の音楽の授業で習ったような記憶はありますが...
調号の付かない楽譜は読めるけど、#や♭が付いたら読めなくて「嫌になっちゃった」って記憶が甦りますねぇ。
TAB譜に慣れ過ぎたギタリストにとっては、もうガン無視しちゃう「調号」なんですが...
しかーし。この調号が読めれば曲を弾く前にキーを把握できるので、コード進行の予測も立てやすいですし、採譜やコード進行の分析にも、役に立つので覚えておいて損はないはず。
そこで今回は、譜面嫌いな方にも分かりやすく、ギターの指板を使った【調号】の覚え方や書き方を紹介しようと思っております。
【調号】とは?
まずは、五線譜に#も♭もなにも付いていない状態。
これは、Cの音を基本にしたド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド。Cメジャースケール(Aナチュラルマイナーでもある)の世界。
キーボードだと分かりやすくて、全て白い鍵盤だけで作られた世界であります。
で、楽曲にはCだけじゃなく12音のキーが存在します。
例えば...キーを変えてGを起点にド・レ・ミ~のGメジャースケールを作ってみると...
白い鍵盤のFを半音上げなくちゃいけない。
キーをDでメジャースケールを作るには...
白鍵盤のFとCを半音上げ(#)しなくちゃいけない訳です。
で、これを臨時記号でオタマジャクシの脇に、いちいち書くのが面倒なので、あらかじめ譜面の最初に記して置いた物を【調号】と言います。
ですので#と♭を書く位置は決まっていて、1個目の#はFの所。2個目はCの所3個目は~って決まっております。
慣れてしまえば#の数と♭の数だけでキーを判別することが出来るようになります。
こんな感じの👇調号とコード進行だけ略した譜面も使われますね。
ギターを使って調号を読むには?
子供のころから、ピアノを習ってたりしてた方なら、苦も無く覚えられるみたいですが...
私は小学生レベルの五線譜読みしか出来ないので、【調号】を覚えるのが超苦手でしたが、ギターの指板を使えば、簡単に導けるようになりました。
丸覚えできるなら、それでもイイんですが、慣れ親しんだギターの指板に置き換えれば簡単です。
ギターで【調号】を読む。#系
なにも無い状態は、キーCです。#系は1個増える度に5度上のキーに変わりるのが特徴。
瞬時に、5度上の音名が出てくればいいんですが、中々出てこない方はギターの指板をイメージすると答えやすくなります。
まず#1個はCの5度上なのでキーがG。3弦開放。ここが起点になります。
3弦開放弦Gを起点にして、#の数が増える=弦を1本ずつ下がった音名。ってルートを辿ると【調号】を導けるようになります。
次は#2個で、キーD。4弦開放。
#3個でキーがA。5弦開放。
#4個でキーがE。6弦開放。
で、乗り換えてから...
#が5個でキーB。5弦2フレット。
#6個でキーF#。6弦2フレット。再び乗り換えてオクターブ上F#の4弦4フレット。
最後#7つでキーC#。5弦C#って感じで覚えます。
これなら、丸覚えよりも覚えやすいはず。
途中で分からなくなったら、頭の中でこの指板をイメージすれば、思い出せます。
そもそも「指板の音名が分からない!」って方は、👇の記事をご参考してみて。
ギターで【調号】を読む。♭系。
♭系も同様に考えます。
まず、♭1個はキーがFなので、6弦1フレット。ここが起点になります。
今度は、♭の数が増える=弦を1本ずつ下がった音名。ってのがキーになります。
次は♭が2個で、キーがB♭。1本弦が下がって5弦1フレット。
♭が3個で、キーがE♭。4弦1フレット。
♭が4個で、キーがA♭。3弦1フレット。
で、ここから改めまして...
♭5個で、キーがD♭。5弦4フレット。
♭6個で、キーがG♭。4弦4フレット。
♭7個で、キーがC♭。3弦4フレット。で、打ち止めになります。
👆のような軌跡を辿ります。
どうでしょう?これなら、簡単っス。
4度圏表・5度圏表で調号を読む。
ギターで読む以外にも簡単な【調号】の読み方はありまます。
音楽理論書で必ず出てくる、この表をご存知でしょうか?
クラシック系の方だと、5度で回る5度圏表。
ジャズ系の方だと、4度で回る4度圏表を使う傾向がありますが、どちらかを使ってもOKです。
この表を使えば、超簡単に【調号】を読む事が出来ます。
👆をご覧の通り、右に回れば♭が1個ずつ増えて♭の調号が導けますし、
左に回れば#が1個ずつ増えた調号が導けます。
この表は調号を読む以外にも、とても役に立ちますので部屋に貼っておくとイイっス。
平行調短調について
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド。ご存知メジャースケール。
この序列をラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラってスタート位置を変えてやると、ナチュラルマイナースケールを作る事が出来ます。
このCメジャースケールと、Aナチュラルマイナーの関係を平行調と言います。
ギターで言えば、キーC(6弦8F)は3フレット下げがったA(6弦5F)マイナーって事になります。
#が1個付いたキーG(6弦3F)は3フレット下がったE(6弦開放弦)マイナーになります。
我々が好きなメタル系の音楽は、6弦開放弦のリフをよく使うので、曲の調性は#が1個付くG/Emがとても多いです。なので#1個の五線譜は馴染み深いです。
ギターで測れば...「メジャーのキーから3フレット下がったポジションがマイナーキー」
と、覚えれば簡単です。
4度圏・5度圏表でも簡単に導けまして...
👆ご覧の通り、特定したキーの丁度、9時の位置(5度圏表だと3時の位置)が、平行調短調・長調の関係になります。
簡単で便利。
一覧表にすると、こんな感じになります。
五線譜に【調号】を書くいてみる。
調号における#・♭の書く位置は、決まっています。
これも丸覚え出来ればイイんですが、中々面倒くさいっス。
#系の書き方。
#系の場合に、どこに書くか分からなくなったら、キーの7度の音名(つまりキーのアルファベット音名の1個前のアルファベット音名G→1個前の音名F)所に#を書きます。
#1個はキーGなので7度(1個前の音名)はFなので、五線譜Fの所に#を書きます。
続けて#が2個でキーがDなので、1個前のアルファベット音名はC。
なので、先程のFの所とCの所に#を書きます。
#3個はキーAなので、1個前のアルファベット音名G。F・Cに続けてGの所に#を書きます。
#4はキーE。なので1個前のアルファベット音名がD。F・C・Gに続けてDの所に#を書きます。
#5個でキーがB。1個前のアルファベット音名はA。F・C・G・Dに続けてAの所に#を書きます。
#6個でキーがF#。1個前のアルファベット音名はE。F・C・G・D・Bに続いてEの所に#を書きます。
最後は#7個でキーがC#。1個前のアルファベット音名のアルファベット音名Bなので、F・C・G・D・A・E・に続いてBの所に#を書きます。
これなら、どこに書くかわからなくなっても思い出せます。
♭系の書き方。
♭系は先程やったギターの指板を使ったキーの導びき方で...
♭1個はキーがFで、五線譜のど真ん中「B」の所に♭を書きます。
👆ギターの指板で言うと5弦2フレット。
キーを導くのと同じ要領で、5弦2f・B 4弦2f・E 3弦2f・Aから6弦5f・Aに乗れ換えまして...
5弦5f・D 4弦5f・G 3弦5f乗り換えて、6弦8f・C 5弦8f・F
の順に♭を書き込めば、♭系の調号の書き方が導けます。
ただ、♭系は4度上昇・5度下降の繰り返しで♭を書き込む「規則正しい図式」なので、調号の図柄を丸覚えしたほうが簡単な気がします。
まずは、五線譜のど真ん中のBに「ドーン!」と♭を書き込んで...
4度上がって♭を書いちゃって、あとは2つのラインの階段を降りていく図柄!!👆って覚えた方が簡単っス。
まとめ
五線譜嫌いの方にとっては、とても分かりずらい#・♭の付く楽譜ですが、お馴染みのギターの指板で、解き明かせば割と分かりやすく、読み書きできるようになります。
スコアをもらって、曲をコピーする時に、【調号】があらかじめ分かっていれば、コード進行の予測も立てやすくなりますし、コードの採譜や分析もしやすくなるので、楽譜の最初の部分に注目して、好きな曲をコピーすると、イイっすね。
あとは使わないと忘れちゃうので、「小テスト」がオススメ。
C/Am E/C♭m F/Dmって感じで平行調短調もセットで、覚えればなお、よろしいです。(3フレット下がればいいだけっス)
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