ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・のメジャースケールを順番を変えて独立させた7つのスケールを「チャーチ・モード」って言いますが...
イオニアン(旧メジャースケール)ってどんな感じ? 明るい感じのスケール。お馴染みのドレミ
エオリアン(旧マイナースケール)ってどんな感じ? 暗い感じ。ナチュラルマイナーと同じだ。
ドリアンってどんな感じ? マイナーのような....
リディアンってどんな感じ? えーと何ていうか。明るいような。
ミクソリディアンは? ロクリアンは? .....?
つまり、イオニアン(旧メジャー)とエオリアン(旧マイナー)の響きや雰囲気はわかるけど、その他のモードの違いがよくわかんない!!ってのを克服するって練習です。
ジャズ・ミュージシャンの菊地成孔さんが、このチャーチ・モードの色分けを解かり易く解説していたのを参考に、ギターの速弾き練習を織り交ぜながら、チャーチ・モードを学んでみようって記事です。
調性音楽とは?モードとは?
調性音楽のド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・のCメジャーには、それぞれ役割がありまして
ド(Ⅰトニック)レ(Ⅱサブドミナント)ミ(Ⅲトニック)ファ(Ⅳサブドミナント)ソ(Ⅴドミナント)ラ(Ⅵトニック=平行調のマイナー)シ(Ⅶドミナント)
って感じで、このチームの中でドミナント(不安定なコード)からトニック(安定したコード)またはサブドミナント(ちょっと不安定なコード)からトニックって運動を繰り返してコードを進行させていきます。
コードを進行させて、トニックに向かう音楽を調性音楽っていいます。
で、このメジャースケールのチーム(調性)から独立して、それぞれ7つのキャラに分かれた音列をチャーチ・モードっていいます。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ Cイオニアン
レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド Dドリアン
ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ Eフリジアン
ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ Fリディアン
ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ Gミクソリディアン
ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ Aエオリアン
シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ Bロクリアン
モード音楽の世界は調性って名前のチームが無くなり、コードが進行しない世界なのでトニックとかドミナントって概念が無くなります。
コードが進行する世界(コーダル)コードが進行しない世界(モーダル)って分け方がされます。
コード進行に合わせて演奏するジャズを、コード進行にとらわれないで、旋律の美しさを強調したのがマイルス・デイヴィスが提唱したモードジャズっス。
チャーチモードの雰囲気を掴むには?
で、Cイオニアン~Dドリアン~Eフリジアン~ってルート音(軸音)が動いちゃうと、ギターで弾いて見ても結局Cメジャー弾いている感覚にしかならないので、ここはすべて軸音をCに統一して7つのモードを弾くと雰囲気が解かり易くなります。
調性の世界では、ルート音(根音)やトニック=すべての始まり支配してる音ってイメージですが、モードの世界では軸音(バスケットの軸足みたいな)ってイメージ。アクシス音とか言います。
アクシス音(軸音)=旧ルート音
アクシスコード =旧トニックコード
では、軸音をCにして7つのモードを弾いてみましょう。
こんな感じで、軸音を統一して弾くと雰囲気が解かり易くなります。
速弾きの練習として、チャーチ・モードを使ってみる。
で、これだと、ちょっとつまんないので、オルタネイトピッキングの練習も兼ねて6連の速弾きにしちゃいましょう。
スペースの都合上、各モードの6連は割愛しますが、先ほどのポジション表を当てはめて6連速弾きをしてみましょう。
ピッキング練習も兼ねて1日15分。1つのモードを弾き、次の日は別のモードで15分。って感じで練習すると響きが身に付くようになります。練習のおかずにどうぞ。
図解でみる。チャーチモードの区分け方。
菊地成孔さんが、分かりやすい図を教えてくれました。
この順番は、何を示しているかといいますと・・・
こんな感じで、上3つが長3度のメジャー系。下3つ+1つ(ロクリアンは使用頻度が少ないため、仲間外れにされます)が短3度のマイナー系って感じで分けます。
で、五線譜で見ると、分かりやすくなりまして・・・
上から順に、♭が付いてくるって構図になります。
つまり、上から順に暗い雰囲気の響きになる!!って図になります。
人のキャラで例えると、さらに分かりやすくなります。
この図解のイメージで、チャーチモードを改めて弾いてみると、1つ1つのモードの雰囲気が具体的になってきます。面白いっスね。
番外編。ロクリアンとロクリアン正岡。
余談ですが♭が5つ付いて、ぶっちぎりで、暗い雰囲気を出しまくっている「ロクリアン」
ここまで暗いと逆に面白いヤツって雰囲気をはらんでるモードでもありまして...
なぜならここにもう1個、Cの所に♭を足してやると...
別のキーでバカみたいに明るい「リディアン」になるからです。
先ほどの図解を円柱にしたイメージですね。👇
なぜかダイアトニックコードのⅦ番目やモードの7番目の「ロクリアン」は不遇でして、使い勝手が悪く中々ポピュラーミュージックの世界では使われることが、あまりありません。
理論書の中には、ほぼシカトされる本もあります。
他のモードはみな売れっ子で、様々な形で活用されます。不遇の「ロクリアン」ですが、ここで1人の男が立ち上がります。
その名も「ロクリアン正岡」さん。
私は、正確にアナライズ出来ませんが、おそらく「ロクリアン」スケールとおもわれる楽曲を、多数発表しております。教会音楽の中である種、迫害?されている「ロクリアン」をここまで、磨き上げた所に、ちょっと感動さえいたします。
現代音楽調で、面白い作品がいっぱいありまして、「ロクリアン」の新たな可能性や魅力が、発見できます。ヤバいっすね。癖になりそうっス。
検証。「クレイジートレイン」をチャーチモードで味わう。
メタラーのギタリストにはお馴染みのオジー・オズボーン「クレイジートレイン」のリフ。
オリジナルはF#のナチュラルマイナーで出来たリフですが、解かり易くするために、キーをCで弾いてみます。
これを、7つのモードで弾いてみて違いを味わってみましょう。
メジャー系の特徴と特性音。
まずは、メジャー系の代表格の「イオニアン」(明るい人)で弾いてみます。
お馴染みのド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドのサウンドっスね。
ポイントになる特性音は完全4度のFの音。この音が「イオニアン」を特徴付けています。
7つのモードの内で唯一#する「リディアン」(バカにみたいに明るい人)
特性音はF#で、Fが#することによって「はしゃぎ過ぎ感」を演出しています。
で、「イオニアン」から見て7度の音が♭する「ミクソリディアン」(明るいけどちょっと影がある人)
特性音は長7度が♭したB♭で、「微妙に影がある感」を醸し出していますね。
C7の響きでもあります。
マイナー系の特徴と特性音。
続いて、マイナー系を弾き比べてみましょう。
オリジナルと同じの「エオリアン」(旧ナチュラルマイナー)
ここでの特性音は短6度の、A♭。これが有ると安定した(?)暗さが約束されます。
で、「エオリアン」から見てちょっと明るい人が「ドリアン」です。
特性音は長6度のAで、これが有ると「基本暗い人だけど、ちょっと明るい人」って感じが出ます。
で、すごく暗い人の「フリジアン」
特性音は、短2度のD♭で、この音が「ダーク」な感じを強調しますね。
最後に超ヤバいヤツの「ロクリアン」
特性音は不協和音で有名な短5度のG♭で、この音が強力で他のモードにある超安定の完全5度が唯一ないので、「ロクリアン」は超不安定な響きを持っております。
こんな感じで、よく知っているメロディーをチャーチモードで、弾き分けてみるとそれぞれのモードの特徴ってのが解かり易くなります。
「クレイジートレイン」を取り上げましたが、モードを切り替えるとメロディーの明るさや暗さの濃い薄いを表現できるって感じがわかると思います。
まとめ
我々メタラーにとってチャーチ・モードの7つの違いって...
「よくわかんねー」スケール
な、訳ですが図解で説明した通り、まずメジャー系・マイナー系に分けてから、一番明るい「リディアン」から順に暗くなるってイメージすると分かりやすいっスね。
よく知っているメロディーを7つ弾き分けると、より分かりやすいなりますので、各モードのキャラを確認してみると良いでしょう。
あまり深く考えずに、チャーチ・モード使って速弾きの練習やれば、自然と響きも覚えて来るんですが、その際には、キーを一つに固定して7つのモードを弾き分けると違いがハッキリしてきます。
特性音も重要なので、モードを弾きながら、特性音にも気を付けて弾くとより理解が深まります。
あまり難しく考えないのが吉。まずは7つの名前だけでも覚えておけば、イイんじゃないでしょうか?
イオニアン・ドリアン・フリジアン・リディアン・ミクソリディアン・エオリアン・ロクリアンで、「イドのフリミはエロい」って私は覚えました。(失礼しました)
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