わたくしハードロック・メタル系が好きで、ギターを始めた当初、コードの押え方なんか吹っ飛ばしちゃって「パワーコード」で、どんどん曲を覚えちゃったりしてました。
こんなヤツ。(ちなみに私がギター始めた1990年頃は、パワーコードって言葉なかった)
初心者さんにとっては、とても便利なコード(コードなのか?)で激しく歪ましたギターでも、5度の完全音程なので、綺麗に響いてしまう。
ですので、メタル一直線の方ですと「もう、パワーコードだけでイイや!」って思考になっちゃう。
私は、「何年もギターやってて、メジャー・マイナーのバレーコードとパワーコードじゃ恥ずかしいなぁ」って思い立って勉強し直したのが40代っスけどね!!
ですのでコード自体に興味がないメタラーの方(スケールは詳しかったりします。)でも、コードの作り方や進行の仕方ぐらいは、覚えて損はないはず。
そこで、コードの「大基礎」である、「ダイアトニックコード」について改めて解説。
前に書いた「ダイアトニックコード」入門は譜面も手書きで、読みにくいので、今回は書き直し記事です。
これキッカケでコードに興味を持って頂ければ幸いで、後に出てくる「コード進行」って名のパズルゲームを理解する上でも、重要な基礎になります。
メジャー編とマイナー編に分けて「ダイアトニックコード」を攻略して行きましょう。
メジャー・マイナーの「ダイアトニックコード」を理解しておけば、コード進行の話も分かりやすくなりますし、作曲のアイデアも格段に増えますので、覚えて損なし。
あまり深く考えないで、運指練習の1つだと思って、覚えてしまってもイイっスね。
私は、練習前のウォーミングアップでよく使っていましたが、響きが良いので楽しくおぼえることが出来ました。
「ダイアトニックコード」とは?
まずは、お馴染みのスケール。
どんな方でも覚えている、学校で習って覚えている唯一の音楽理論の「ドレミファソラシド」(Cメジャースケール。)
このメジャースケールだけで、音を積んだコードを「ダイアトニックコード」って言います。
どんな感じで、音を積むかといいますと...
このように、「ドレミファソラシド」を1個飛ばしで3つ積つとコードを作ることが出来ます。
メジャーのダイアトニックコードだからって、全部メジャーコードって訳ではありません。「ドレミファソラシド」って縛りの中で、コードを作るのでマイナーコードも出てくるし、♭5も出て来ます。
全部メジャーコードにしたら、「ドレミファソラシド」以外の音も混ざっちゃいますからね。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ 1度 長3度 完全5度 で C
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ 1度 レとファの距離が短3度 完全5度 で Ⅾm
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 1度 短3度 完全5度 で Em
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ 1度 長3度 完全5度 F
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ 1度 長3度 完全5度 で G
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ 1度 短3度 完全5度 で Am
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ 1度 短3度 シ・ファ間が減5度になるので、ちょっと変わり種。 Bm(♭5)
1番目と4番目と5番目のコードは、いわゆる「スリーコード」って呼ばれるコードで、これがメジャー系。残りは全てマイナー系コードって考えると覚えやすいっスね。
ギターで弾いてみる。3段積トライアドの「ダイアトニックコード」
ギターでダイアトニックコードを弾いてみましょう。
先程の3個積みの和音を「トライアドコード」って言います。五線譜に注目で...
そのコードのルート音(最低音)だけ確保しておけば、1個飛ばしの3度・5度の積み方は自由で、五線譜でもわかるように、同じ音名のオクターブ上を足してもOK。(最低音までイジっちゃうと分数コードになっちゃうよ)
6弦なので、6音鳴ってるのも有りますが、すべてルート・3度・5度だけの「トライアド」。「ドレミファソラシド」だけで出来ているので、#・♭なにも付かない混じり無しの、Cメジャー汁100パーセントのコード群を「ダイアトニックコード」って呼びます。
弾いてみると、混じりけ無しの素直な響きっス。
譜面の様に一通りオープンコードで弾いて確かめてみましょう。
ギターで弾いてみる。セブンスを足した4段積の「ダイアトニックコード」
日頃耳にしている音楽のコードに、「セブンス・コード」は、もはや当たり前のように、使われているので、7度を足して4段積にした「ダイアトニックコード」までが基本になります。
1度・3度・5度って来てもう1個7度。って積んでいきます。
オープンコードで弾いてみますと...
トライアドと違い、複雑な響きになりますが、こちらもCメジャー100パーセントなので、安定感があります。
この7つと、先程の「トライアド」7つを適当に繋いで曲を作れば、絶対破綻しない!!っのが「ダイアトニックコード」の便利な所。
ちなみに、実践では3段積と4段積は自由に混ぜてOKです。
ですので C-GーCってコード進行は、C-G7ーCってアレンジしてもOK。
「ダイアトニックコード」は、ディグリーネームで覚えよう。
こんな感じで、ローマ数字でナンバリングされたコードを見たことあると思います。
これは「ディグリーネーム」「ディグリーコード」とか言いまして、どのキーでも使えるように、ダイアトニックコードに背番号を付けたコード表になります。
4和音になると...
これは、大変重要なコード表になりますので、1日1回、ノートの切れ端でもいいので、紙に書いて忘れないように、丸暗記しましょう。
簡単に曲を作る武器になります。
ちなみに、ナチュラルマイナースケールの「ダイアトニックコード」のディグリーネームは...
メジャースケールの3番目と6番目と7番目が♭するので、♭Ⅲ・♭Ⅵ・♭Ⅶって背番号が変わります。
7つのコードの役割は?
ダイアトニックコードには「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」って3つの役割があります
Ⅰトニック 例えるならダイアトニックコードの王様。中心的なコードであり重力。その他すべてのコードはⅠトニックに行きたがる。
Ⅳサブドミナント 例えるならⅤドミナントの王女。王妃ドミナントを補佐して盛り上げる役割。優しい性質のコードなので単独でⅠトニックに解決(サブドミナント終止)すると切ない演出が出来る。
Ⅴドミナント 例えるならダイアトニックコード界の心が不安定な王妃。「動」的な存在で、短7度を付加したⅤ7の中には減5度(トライトーン)って不協和音が入っているので、強力に場を盛り上げてくれる役。V7ーⅠに向かう(ドミナント終止)は不滅の鉄板コード進行っス。
これらが俗に言う「スリーコード」といわれ、これだけでもコードの物語が進行出来ます。
その他のⅡm7・Ⅲm7・ⅥM7・Ⅶm7(♭5)は、代理コードとして機能を持ちます。
Ⅱm7。例えるなら王女の妹。サブだけど姉よりも人気者で力もある。
Ⅲm7。王の弟。トニックだけど肝心のCを持って無いので弱い。
Ⅵm7。王の息子・王子。マイナーに舞台が変わればⅠm7になり次期の王に。
Ⅶm7(♭5)。王妃の妹。メジャー界ではほぼ出番なし。マイナーに舞台が変わればSDに転職して大活躍。
って感じでしょうか。
代理コードの特徴は、本家コードに似たコード音を持っているので、本家に代わって差し替える事が可能になります。
例えば...盤石のⅣM7-Ⅴ7-ⅠM7のコード進行。
サブドミナントのⅣを、代理コードⅡmを差し込んでアレンジする事が可能になります。
これが、有名なコード進行「ツー・ファイブ・ワン」ってなります。
ⅡーⅤ-Ⅰだとベースラインが4度進行で強力なので、Ⅳ-ⅤーⅠよりも人気で力強い。
ダイアトニックコードにはこんな感じで、役割がある訳です。
ウォーミングアップに最適。「ダイアトニックコード」運指練習。
「難しい事は、わからーん!!」って方は、とりあえず押え方だけ覚えちゃうとイイかも。
オープンコード以外の「ダイアトニックコード」をⅠ~Ⅶを上昇・下降しただけのコード進行。
練習前のウォーミングアップに毎日使えば、理屈はわからなくても、響きと押さえ方は、嫌でも覚えられます。
この押さえ方なら、フレットを移動するだけで、12のキーに全て対応することができます。
今週はCメジャー。来週はA。次はEって感じでウォーミングアップのメニューを変えると退屈にならず頭使うのでイイっス。
運指練習だと思って毎日やっていれば、主要コードの押え方も自然に覚えられますし、コードの響きも覚えられるのでオススメします。
5度4度の「パワーコード」の世界にハマっていると、m7やM7の聴き分けさえ出来なくなっちゃうんで、運指練習のついでに響きにも気を付けてやるとイイっス。
まとめ
コード進行の勉強の前に、まず大基礎である所のメジャーの「ダイアトニックコード」をしっかり覚えておきたい。
このコード群の序列と役割を覚えてから、コード進行の勉強した方が理解が深まります。まずは、日々の運指練習でコードの並びと響きをおぼえちゃいましょう。
あとオススメは1日1回。紙にディグリーネームのダイアトニックコードを書き出すって習慣を付けるとイイです。
1週間くらいで、すぐ覚えられるはず。算数の九九の様なものなので、必ず暗記しておきたい。
あとはダイアトニックコードの運指練習で、主要コードと押さえ方と響きを体に覚えこませる。
ウォーミングアップ用にこの運指練習しておけば、自然に押え方と響きを覚える事が出来ます。
このメジャーの「ダイアトニックコード」をしっかり踏まえた上で、マイナー系の「ダイアトニックコード」を次回やります。
マイナー系はチョットややこしいので注意。メジャーをしっかり覚えないと嫌になります。
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