前回に引き続き、テンションコードの9thについて解説。
👆テンションコードは9・11・13ってありますが、
私のような「メタラー」出身で、テンションアレルギーの方は、9だけをまず徹底攻略して「面白くなったら11・13を勉強!!」って感じで、練習すると記憶に残りやすく、実になるはず。
前回のエクササイズを、練習前の運指練習と捉えて、毎日こなせば「コードブック」無しでテンションコードを押さえれるようになります。
コードブック見ながらフォームを覚えると、
「押さえ方は覚えたが、ルート以外は、何度を押さえているか?わからん」
って感じになりがち。
前回のエクササイズの様に6・5・4・3弦で基礎コードを作って2・1弦で「テンション」をトッピングってやり方の方が圧倒的に覚えやすいっスね。
で、前回はメジャースケール7音だけで構成される、基礎的な「ナチュラル・テンション9」を解説しました。
今回は、「ナチュラル・テンション」以外の「ちょっと特殊な9」の解説になります。
「特殊」と言っても、ロック系でもよく使われる9なので、皆さんにも馴染みがあるコード達です。
楽曲の中で「あぁ!このコードはこの事か!」って気付けば幸いです。
9thの表記とAdd9について。
コードの表記には厳格なルールってのは無く、ジャンルや時代によって変化する物。
Dm7(9)って表記されれば、前回勉強した通りで、
「ルート・短3度・完全5度のマイナーコードに短7を押さえて、9をトッピングだな」ってなるんですが...👇
Dm9とかG9って表記されたり、Cadd9とかAmadd9って「ナインス」に出くわす場面があります。
G9だと「セブンス抜きの9トッピングかしら?」って思っちゃいますが、
G9ってのはG7(9)の事でして、〇9で表記された場合は、セブンスを含めた9ですのでご注意。
で、「セブンス抜き」の9ってのも存在していまして、これが「アド9」。
Gなら3和音(トライアド)のコードにA音の9だけトッピングで「G add9」って表記します。
出くわすと、ちょっと混乱するので、改めて整理しときましょう。
〇9 〇m9 〇M9
👆一瞬、add9系と間違っちゃう表記。
この場合の表記は、7(短7度)のセブンス。もしくはM7(長7度)メジャーセブンス。の「セブンス」系も含みます。
ちょっと、ややこしいので、1つずつ確認していきます。
〇9=〇7(9)
〇9の構成音は...
基礎コード3和音はメジャーでセブンス(短7度)付き。+M2(9)をトッピングって読みます。
なので、例えばA9って表記と、A7(9)って表記は同じ意味。
で、前回やった、当ブログの推奨する押さえ方は、完全5度を省略し6・5・4・3弦で基礎コードを作って2・1弦はテンションをトッピングする用って感じ。これなら覚えやすいっス。
まずは、5度省略のセヴンスコードを作って...
で、9をトッピング。
👆6弦ルートの2弦は、ルールに従って押さえなくてもイイんですが、指を入れ替えて人指で2弦を「セーハ」してP5(完全5度)も省略せずに押さえちゃうのも有り。
押さえちゃった方が、簡単ですし響きもいいね。
〇m9=○m7(9)
〇m9の構成音は...
基礎コード3和音はマイナーでセブンス(短7度)付き。+M2(9)をトッピングって読みます。
推奨の押さえ方。
で、9をトッピング。
👆の6弦ルートのパターンは5弦のP5を押さえて、m7のバレーコード+小指で1弦の9をトッピングって形で覚えてもOK。
〇M9=〇M7(9)
〇M9の構成音は...
基礎コード3和音はメジャーでメジャーセブンス(長7度)付き。+M2(9)をトッピングって読みます。
推奨の押さえ方は...
9をトッピング。
この一連の「7セブンス」有りの9については、👇の記事をご参照。
〇add9
アド・ナインス。と呼ばれる9系のコード。
add9の構成音を見てみましょう。
👆は「セブンス」の抜いた基礎3和音(トライアド)がメジャーで、9をトッピングしたコードで、通常のセブンス入りの9よりもスッキリした響きで、ロック系でもよく使われます。
押さえ方は...
👆慣れないと結構キツイ押さえ方ですが、このコード使ったコード進行は運指練習に最適です。
運指練習としてadd9を習得!!
私、ウォーミングアップの時によく使っていました。
これで押さえ方の習得と運指練習+ストレッチが賄えます。1日5分。
5弦ルートのadd9練習。EX-1
6弦ルートのadd9練習。EX-2
素早くコードチェンジ出来るようにするのが、ポイントっス。
勿論、すべての弦がちゃんと鳴っていないとダメなので、コードストロークだけじゃなく、アルペジオで弾いて、押さえられているかチェックして練習しましょう。
〇m add9
「マイナー・アド・ナインス」と呼ばれる9系のコード。
〇m.add9の構成音は...
👆先ほどの、add9のM3を半音下げてm3にすれば、マイナー・アド・ナインの出来上がり。
押さえ方は
運指練習としてm add9を習得!!
これも運指練習+ストレッチに良いので、アド・ナインとセットで練習前のウォーミングアップに使うとイイでしょう。
EX-3 5弦ルートのm add9練習。
EX-4 6弦ルートのm add9練習。
👆簡単そうですが、全部の弦をしっかり鳴らすのが案外難しい。
これも「アド・ナイン」?
ロック系だと、この押さえ方のほうが有名では?
例。BOOWYの「ダンス・イン・ザ・プレジャーランド」の冒頭のコード進行。(古くてすまん)
👆これもスコアなんかでは「add9」で表記されますが、よく見ると「メジャー・マイナー」を決定する3度まで省略している。
これだとアド9って呼ぶのも、本来は怪しい感じで、〇5(9)とかって方がいいんじゃね?
コレ、簡単で覚えやすいので、「これこそがadd9!!」って思って、覚えちゃった方も多いのでは?
なので、このadd9の押さえ方は、超重要な3度がないので、どちらかというと「変わり種」。
正調のアド・ナインはM3かm3が入った「トライアド」+9だねって話です。
♭9について。
メジャースケールを基にした「ダイアトニックコード」
ⅠM7 Ⅱm7 Ⅲm7 ⅣM7 Ⅴ7 Ⅵm7 Ⅶm7(♭5)
メジャースケールに沿って、テンション9をトッピングすると...
👆こうなります。
このようにメジャースケール7音だけで、トッピングしたテンションを「ナチュラル・テンション」って言います。
ただ「ナチュラル・テンション」に含まれる「♭9」って音程(フレット13個分)は「アヴォイド・ノート」って、いって理論書なんかでは、禁止扱いされちゃいます。
例えば、ナチュラルテンションに、沿って作ったコード進行。
Em7(♭9)は、「アヴォイド」なんですが、そんなに悪くねぇっス。
けど、ポプュラーミュージックでは「♭9」のコードは、ほとんど出番がないっすね。
特にⅦm7(♭5)♭9は絶望的。見たことない。
なので、♭9=アヴォイド・ノート(禁止音)って扱いにされるので、コードブックでは♭9のコードは「亡き者」扱いされる事が多いっス。
11・13のナチュラル・テンションコードの中にも、♭9(フレット13個分)の音程が潜んでいて、こちらも「亡き者」扱いされています。
👇9・11・13の「ナチュラル・テンション」の一覧。
△は「アヴォイドノート」が潜んでいるコードで、音楽理論なんかでは、よく除外されるコード達です。
が、基本テンションは何をトッピングしても自由なので、当ブログでは「ナチュラル・テンション」はアヴォイドも含めて弾いて学習。
使うか使わないかは、自分で「アヴォイド」してね!ってスタイルをとります。
#9 「ジミヘン・コード」について。
ジミ・ヘンドリクス愛用で、お馴染みの○7#9。
👆構成音を見ると、かなり特殊。
#9は=m3なんですが、このコードはM3・m3(#9)っていう普通有り得ない、短3度・長3度を混ぜちゃう「不協和音」なんですが、不思議とロックギターの相性がよく、Ⅰのトニックで使うと馴染みます。
で、#9は=m3なので、基礎コードがm3の場合は、#9は存在しない。
つまり、○m7(#9)ってのは無し。
👆「ジミヘンコード」のM3を半音下げてm7(#9)を作ろうとしても、#9はm3のオクターブ上の響きになるので、○m7(#9)は○m7にしか聴こえない。ってわけです。
つまり#9はメジャー系のコードの時だけトッピングが出来るって話です。
押さえ方は、この2通り。
とにかく、ロック系でⅠの所に〇7(#9)を差し込むと、すごくイイ感じの#9です。
まとめ
最近、テンションコード練習しているんですが、今回♭9・9・#9に思うところがありまして、今回まとめてみました。
「ナインス」って、ただ単純に、コードのルート音にオクターブ上+2フレット分をトッピングするだけなんですが、色んな表記や積み方が有るので、少々厄介。
なので、自分の中で「曖昧な解釈」しちゃいそうだったので、整理しようってのが今回の記事のテーマだったんですねー。
ややこしい事、色々書きましたが9はとても便利で、どんな凡庸なコードにも9をトッピングすれば、大体イイ感じになるので、テンション嫌いな方でも適当に9を刺して遊ぶと、テンション嫌いも直るのでは?って思っています。
次回は、「ナチュラル・テンション」をちょっと改造してみる術。
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